柳生
新陰流剣術

新陰流

私たちの新陰流は、
日本の柳生天狗堂、
池之側先生の体系に由来します。
易宗八卦掌と柳生新陰流の双方は、
「実」で制圧し、「虚」で調整することを重視し、
攻撃によって相手の行動を誘発し、
その反応を自然な流れで破勢の機会に転化することを目指しています。
この二つの体系は、剛と柔の調和、虚と実の融合を強調し、
安定した構造と正確な身法・歩法によってリズムを掌握し、
攻防一体を実現します。
知恵と技術を核とし、柔をもって剛を制し、
戦略で勝利を収め、
動的なバランスと戦術的な構想の深い哲学を体現します。

導きと制御

柳生新陰流:
「懸(けん)」や「待(たい)」といった技法を通じて相手の動きを導き、虚構で相手の反応を誘い出し、その反応を予測して局面を掌握します(「懸待表裏」の原理などがその例です)。
易宗八卦掌:
「引動」や「搭控打」といった方法を用いて、相手の攻撃方向を誘導し、巧みに解消または反撃することで、攻防の主導権を握ります。
共通点:
双方とも、相手を自ら設計した「局」に引き込み、柔軟性と知恵を駆使して戦術的な目標を達成することを強調しています。

動静のバランス

柳生新陰流:
「柔中に剛を帯びる」ことを重視し、防御では柔軟に対応し、攻撃では剛強な構造で相手を抑え込み、剛と柔が相生する効果を生み出します。
易宗八卦掌:
動と静を組み合わせ、剛と柔を転化させます。剛猛な力で相手を制圧することも、柔順な歩法や掌法で力を受け流し攻撃を解消することも可能です。
共通点:
剛と柔は完全に分離されたものではなく、互いに転化し、交互に用いることで動的なバランスを形成します。

順勢と転化

力を借りて力を制す

柳生新陰流:
交剣の際、「順勢」によって相手の力の方向を導き、その力を迅速に自分の優位性に転化します(合気)。
易宗八卦掌:
接触時、柔軟な掌法と滑らかな歩法を用いて相手の力を借り、攻撃を解消し、それを反撃や相手の構えを崩す機会に転化します。
共通点:
双方とも、力の感知と動的な転化を重視し、力と力の直接対決を避け、知恵と技術の活用を強調します。

虚実の転換

柳生新陰流における「虚」は、偽の動作ではなく、正面からの衝突を避けるために身を譲ったり位置を調整したりする戦略であり、その転換によって有利な位置を奪取します。「実」は、相手の反応に応じて迅速に攻撃や制御を実行する直接的な対決を指します。
八卦掌における「虚」は、相手の力を自身が予期する方向へ導くための歩法の調整です。「実」は、安定した構造と確実な力の発揮により、制御や打撃を完遂することを指します。

掌と剣は共に

奥深い理を通ず

戦闘のリズムの掌握

主動的な攻撃とリズムの操縦

柳生新陰流:攻撃によって相手の反応を引き出し、剣勢を用いてリズムを掌握し、相手を自身が設計した「枠組み」の中に封じ込めます。相手の反応は全て自らの計画した「局面」に収まります。

八卦掌:連続した歩法と掌法の攻防変化を通じて、相手の重心と行動方向を制御し、相手を自身で掌握できない動的なリズムに陥れます。

攻守一体

柳生新陰流では、攻撃には常に防御の可能性が含まれ、防御中もいつでも反撃の準備が整っています。虚実を問わず、攻防に対して完全な対応を備えています。

八卦掌では、円運動と掌法の流動性を通じて、全ての攻撃に防御の可能性が含まれ、防御もまた瞬時に攻撃へと転化することができます。

哲学と智慧の共通性

最小の力で最大の効果を達成する

柳生新陰流:精確な構造、タイミング、剣勢を通じて相手に隙を暴かせ、戦局を完全に掌握します。

八卦掌:相手の力を利用し、円運動の歩法と掌法を用いて、その力を自分に有利な方向へ導きます。

無形で有形を制する精神

柳生新陰流:剣法において形に囚われない制御を追求し、特定の技に依存せず、理念とタイミングによって相手を掌握します。

八卦掌:円滑で調和の取れた動きで相手を制し、攻撃の形式を意図的に強調せず、身法と気の流れによって敵を破ります。